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令和3年度 後期始業式校長講話

おはようございます。
令和3年10月1日金曜日、後期始業式の講話を始めます。

前期終業式に「有難う!」で振り返り、「有難う!」の3段階のお話しをして、まだ、2日しか経っていませんが、新しい節目である令和3年度後期が本日から始まります。

「始まり」にはいろいろありますが、今日は日本の始まりについてお話します。

今年の東京オリンピック・パラリンピックの場面での日本人の活躍はもちろんですが、その他の様々な分野で活躍する日本人の姿を目の当たりにして「日本人ってすごいなあ~」と思っていました。
そんな時、「お父さん、日本のことを教えて!」という本に出会いました。赤塚高仁(あかつか こうじ)さんという方が書いた本です。

赤塚さんは、本の「はじめに」の部分にこう書いてありました。抜粋して読んでみます。

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ある女子高校生の話です。彼女は高一の時にアメリカに留学しました。アメリカの文化を学ぶためです。ホームスティ先は、カリフォルニア州の小さな村にあるアメリカ人の家庭でした。
ある時、ホストファミリーのお母さんが彼女に聞いてきました。
「日本はいつ、だれが作ったの?」彼女は答えを知りませんでした。
「エッいつだろう?作ったのは誰か?わからない・・・教えてもらってもいないし・・」すると、ホストファミリーのお母さんは驚き、そして諭すように言いました。
「そうなの・・教わっていないのね。でも知らないのは日本に対して、あなたの愛がないからじゃない?自分の国を愛せないで、ほかの国を愛せる?あなたは、何のためにアメリカへきたの?」
「私は、アメリカや世界を知りたかったから・・・」
「そう。でもあなたが知るべきはアメリカや世界のことじゃない。まずは自分の国のことをわかった方がいいわ。自分の国を知って愛せなければ、アメリカで信頼を得るのは難しい。いえ、どこの国へ行っても難しいでしょうね。」

彼女は帰国するなり、お父さんに涙ながらに訴えました。
「お父さん日本のことを教えて、何も答えられなくて本当に悲しかった。」と。
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その女子高校生は、実は、この本を書いた赤塚さんの娘さんでした。
そこで、赤塚さん、つまりお父さんは娘と一緒に、日本の始まりについて、書物を紐解き、実際に歴史の舞台にも足を運び、答えを得て、それらをまとめた本でした。歴史の事実と向き合うたびに、日本が、日本人がますます好きになったのだそうです。

さて、みなさんは、日本は「いつ、だれが作ったのか」答えられますか?
皆さんの中にも赤塚さんの娘さんのように教えてもらった経験がなければ、知らない人がいると思います。実は、地歴公民科の浜本先生にも確認しましたが、高校の日本史の教科書には載っていないのだそうです。不思議でしょう?どうして日本史の教科書に載っていないのか?さらに、日本では教えてもらうことがない「日本の始まり」について、アメリカの中学1年生の教科書には、「日本のストーリー」として載っています。ますます不思議でしょう?  
私は、小学生の頃に読書好きの父から、日本最古の歴史書「古事記」のことを教えてもらい、神話についても聞かされていたため、「日本の国はいつ誰がつくったのか」の答えを知っています。その答えは・・・
「紀元前660年2月11日 神武(じんむ)天皇がつくったと言われています。」です。

紀元前660年というと、当然イエスキリストが生まれる660年も前に、日本が作られたということですから、日本が建国から何年たったのかを知るなら、その西暦に660年を足せば計算できます。今年は2021年ですから660年を足して、『日本は建国から2681年目である』ということがわかります。
詳細については、皆さんが知ろうとする好奇心に譲りますが、教科書に載っていなくてもわかる手立ては、現代であればいっぱいあるはずです。

世界へ向けて様々な活躍の場が広がる皆さんにとって、自分の国の始まりを知っていることや、日本語の美しさを知ることや、日本の風景を眺め、四季を感じ風情を楽しむことは決して無駄なことではないはずです。

さて、いよいよ、令和3年度も残り6か月です。

〇3年生にとっては、正味4か月程の学校生活を終えると、来年3月1日には、北海道文教大学附属高等学校となって初めての卒業生として巣立っていくこととなります。早いですね。卒業までの貴重な時間の中で目標としていた挑戦を諦めずに、高校生時代にやれるだけのことを精一杯、実践してみてください。

〇2年生にとっては、10月26日からの修学旅行への準備が、旅行中の充実へ繋がります。健康管理に十分に気を付けてしっかりと準備し、安全な旅を思い出にしてきましょう。帰って来たら、進路実現のための時間への切り替えです。各部活動においても、3年生から引き継いで、よりチームとして個々の能力を高める活動も始まってきます。

〇そして、1年生は、進路を見据えて、2年生からの学習のセレクトとプログラムを決める時期となります。やれるかどうか?と悩むより、やりたいかどうか!と自分の意思をもち、将来に夢を抱きながら決めていって欲しいと思います。

後期に入って秋らしく涼しくなってきましたが、秋は「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」です。スポーツで体を鍛え、バランスを考えた食事を美味しく感謝しながらいただき、秋の夜長には好きなジャンルの本を読む・・・冬を前に、身体にも心にも栄養をたっぷりあげましょう。

そして、この時期は「悩みの時期」とも言われます。悩むことは大切ですが、悩んでいる時はただ立ち止まっている時です。
立ち止まっていても悩みの原因は無くならないし、解決もしないし、前へは進めません。そんな時は、悩みのツボにはまる前に、悩みが鉛のように重くならないうちに、まず、誰かに相談してみてください。吐き出すことが大切です。
もう一つの解決方法は、「悩むこと」を「考えること」に切り替えてみることです。悩んでいる状態を客観視して、「考える」という行動へと頭で切り替えるのです。
「どうやったら解決できるか?」について調べたり、「これまでの自分の悩みの癖は何か?」と分析したり、あるいは、数字に表して計算したりすることが「考える行動」です。この意識に移すと「前へ進んでいるなあ~」と実感することがあります。
実は60歳を過ぎてもなお悩むことのある私の、悩みからの脱出方法の一つです。「悩んでいる」から「考えてみる」へ意識を変えてみてくださいね。

いずれの学年のどんな人にでも、与えられる1日24時間は変わりません。どんな1日を日々重ねていくか、やろうと思ったらやってみる。とにかく身体を動かしてみる。
「いつも3日坊主で続かないんです!」の人は、3日坊主を繰り返してやってみる。そうすれば継続できるじゃないですか?
ま、自分の気持ち次第、考え方次第、受け止め方次第で、物事は意外に良い方向に運ぶものですよ。

後期も「皆さんが、笑顔と感謝の気持ちを持ち続け、礼儀正しく過ごす毎日を!」と願いつつ、いつも応援しています。

それでは、これで、令和3年度 後期の始業式の講話を終わります。