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令和6年度前期終業式 校長挨拶(骨子)
一年の折り返しです。チェックポイントのようなものです。ここまでを振りかえり、3年生は進路の実現をめざし、進路実現後は堕落せず有終の美を飾るにはどうすればよいかを考えてもらいたいし、1,2年生は来年を見据えて今何ができるかを考えるいい機会にしてほしいと思います。
先日とても嬉しく思ったのは、生徒会役員にたくさんの人が立候補して「選挙」らしくなったことです。立会演説会での主張も、多くの人が変革を訴え、しかも理に適ったものが多かったように思い、素晴らしいなと感じました。いつの時代も何かを変えていくのは若者です。未来は若者のものであり、未来へ続く今は若者のためにあり、未来の選択権は若者が持っています。明治維新を実現させたのは20代から30代の若者が中心です。昔の感覚だと今の若者にプラス10歳くらい足したイメージですが、それでも今の30代から40代。海外の革命も一般には若者の行動から始まっています。世論調査では日本の若者は未来に参画できない無力感を感じているものが諸外国に比べて圧倒的に多いといいます。どの時代にも壁はある。大変かもしれないが、どんどん理性的に意見を出し、どんどん活動して、日々を過ごす学校が変革され活性化していくと嬉しいなと思います。
さて、今年の夏の甲子園は京都国際高校の優勝で幕を閉じました。この学校はもともとは在日韓国人のための学校からスタートしたので、校歌も韓国語という、ちょっと珍しい学校です。誹謗中傷されるのではないかと心配していましたが、案の定でした。匿名性の高いSNSは、言論の自由が認められない強権的な国家や、そうでなくても「中立性」の名のもとに異論を排除したがる政権下においては政治運動を展開する格好のツールですが、残念ながらこの匿名性と拡散の力が誹謗中傷にも利用されています。人の粗はよく見えます。粗を見つけては安全なところから叩くとか誹謗中傷するとかはあまり気分のよいものではありません。人の心の内には素敵な部分と暗い部分が混在しています。SNSはその暗い部分を解放してしまうところがあります。気をつけたいものです。「粗さがし」などという言葉がありますが、「粗」はわざわざ探さなくてもいくらでも目につきます。その一方で人のいいところは見つけようとしないとなかなか見つからないものです。でも、人にはいいところがいろいろあります。意識してあちこちに潜むよさを見つけ出してください。
冒頭にも言いましたが、1年の折り返しです。チェックポイントです。自己点検をして、後期も躍動してください。