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令和6年度 後期始業式 校長挨拶(骨子)

毎朝のように玄関に立って、登校してくるみなさんに挨拶させてもらっています。ほとんどの方は常識的な身だしなみで現れますが、たまに着崩して現れる方もいます。気になるので少し話したいと思います。
「勝負服」などという言葉があります。「勝負服」はいろいろな意味で使われます。恋愛だけではなく、仕事に関してもよく使われます。相手に対する効果をねらう意図もあれば、自分の心を鼓舞するためのものでもあります。
社会人は、ここぞという時には身だしなみを整えます。人と会う。大事な仕事が始まる。ネクタイを締め直したり上着を羽織ったり、上着のボタンを止めたりします。それはスイッチを入れるということです。仕事をやり遂げたから、一日の仕事が終わったから、ほっと息を抜いてネクタイを緩める。上着を脱ぐ。クールビズの夏はスイッチの設定が難しいですが、着崩れているのを直すとかいろいろやります。人にはオンとオフがあります。ケとハレがあります。パブリックとプライベートがあります。プライベートの恰好、プライベートの感覚からずるずるいくのはスイッチを入れないということです。着崩すのが自分のスイッチになっている人はどこか行くところを間違えていると思います。学校は決してプライベートの場ではありません。家を出たらそこはパブリックです。学校はもちろんパブリックです。スイッチを切り替えて臨んでほしいと思います。

さて、もうひとつ話しておきます。
学校は多様な人の集まるところです。当然のことながら価値観の衝突も起きます。
ある荷物があります。ある人は重いと感じ、ある人は軽いと感じます。筋力の違いでしょうか。頑健な人は体が弱い人の気持ちがわからないところがあると言われます。逆もまた同様です。はっきりものを言える人と言えない人がいます。「いじり」を愉快と思う人もいればしんどく感じる人もいます。悪気があるわけではない、むしろ前向きな思いでやっているのに、なぜか人を傷つけてしまうということも時にあります。大切なのは、「いろんな人がいる」ということを理解すること、「いろんな人がいていい」と思うこと、相手の気持ちを洞察し慮る癖をつけることです。学校に限らずどの集団にも必ずトラブルがあります。価値観の衝突があります。ぜひ洞察する心を養って日々歩んでもらえればと幸いです。