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北海道文教大学附属高等学校第二回入学式〜校長式辞〜

式辞

雪多き冬から春が感じられる今日の佳き日に、「北海道文教大学附属高等学校 令和四年度入学式」を挙行できますことは、関係各位のおかげであり、教職員一同、感謝と喜びでいっぱいでございます。

ただいま入学を許可されました百四十四名の皆さん、おめでとうございます。
今年度は、本校の母体である学校法人鶴岡学園創立八十年の節目の年です。その歴史の中で、高等学校は昭和三十四年に創設され、幾度かの校名変更を経て、昨年四月よりここ恵庭の地に移転し、現在の「北海道文教大学附属高等学校」(通称F高)となりました。高校としては通算六十四回目の入学式となります。そこで、学園創立八十周年の記念すべき年に本校入学を果たした皆さんに、お祝いと歓迎の気持ちを込めて二つお話しします。一つは、「ワクワクして学ぶ」ことについて、もう一つは、「大切な言葉」について、です。

今、新品の制服に身を包み、新しい校舎へ入り、新しい教室で、クラスメートや担任の先生と初めて会い、ドキドキ・ワクワクしていることと思います。これが、初めての心「初心」です。「初心忘するべからず」とは、室町時代の能の大成者、世阿弥の言葉ですが、【学び始めの謙虚な気持ちを忘れてはならない。】と解釈され、現代でも引用されています。私は皆さんに、この謙虚な気持ちにプラスして、初心の「ワクワク」を忘れずに学んで欲しいと願っています。
高校の学びは、教科の学習だけではありません。上級生や同級生との会話、先生への相談、文化系・スポーツ系の部活動や生徒会活動、地域貢献活動や体験活動や研究、また、進路実現のためのドリカムルームにおいても、大切な学びが詰まっています。学びとは日常生活の身近にあるものです。皆さんはきっと、その学びに関する楽しみや目標や夢を発見していくことと思います。「ワクワクして学ぶ」ためには、その楽しみや目標や夢が叶った時のことを想像することです。
自分も嬉しい!やった!家族も喜んで笑顔になっている・・・そんな光景を想像するのです。「やれないかもしれない。」などと思わずに、「私はやれる」「私はできる」「私はやる」と自分を信じ、言い切って取り組むことです。
そして、皆さんがワクワクして主体的に学ぼうとする意欲の先には先生たちがいて、皆さん一人一人と真剣に関わり、きめ細やかに指導し、サポートします。大丈夫です。皆さんがこのF高でワクワクして学び、三年後、夢を叶える道を定め、とびっきりの笑顔で卒業する姿を想像しています。皆さんなら、できます。今日から、ワクワクを創って毎日を過ごしましょう。

さて、二つ目のお話しは、「大切な言葉」についてです。

「言葉には魂が宿る」と言われますが、人生にとって「大切な言葉」が三つあります。一つ目は、人を大切に想う言葉「大丈夫」、二つ目は、支えてくれる存在に気付く「おかげ様」、そして、三つ目は感謝する言葉「有難う」です。
悪い言葉や乱暴な言葉、人を傷つける言葉、マイナスの言葉は、生きていく上でまったく必要ありません。この「大丈夫」「おかげ様」「有難う」を魔法の言葉としてシャワーのように自分にそそぎ、体を構成している細胞一つ一つにも聞かせてあげてください。そして、まわりにもこの「大切な言葉」を伝えてください。特に、今、皆さんの後ろに座っていらっしゃる保護者の方や、ここには出席できなかったご家族の方々へ伝えて欲しいのです。
振り返るとあなたは、「おめでとう」の誕生からこれまで生きてきました。赤ちゃんだった時、一人では何もできず、でも、泣いたり笑ったりして周りを笑顔にしました。歩くようになって、言葉を覚え始め、自我が芽生える幼児期もありました。ランドセルが大きかった小学校入学から、ランドセルが小さくなった六年間は、いろいろなことがありました。中学生ともなれば、体も心も成長し、気付けば中学校卒業式。つい先日のことでした。これまでの十五年、十六年、保護者の方々、ご家族の方々は、どれ程、深い想いであなたを慈しみ、育ててくださったことでしょうか。そのことを忘れてはいけません。「大丈夫」「おかげ様」「有難う」を伝える方は、身近にたくさんいらっしゃいます。また、笑顔で挨拶を交わし、「大丈夫」「おかげ様」「有難う」を伝えながら人間関係を作っていけば、きっと悩んだ時や、つらい時、挫折しそうな時も、解決への糸口が見つかり、諦めることなく、夢の実現に近づくことができるでしょう。是非、「大切な言葉を伝える」という行動に移して、高校生の自分を創る第一歩にしてください。
次の時代、未来を担う皆さんが、北海道文教大学附属高等学校で学ぶ三年間で、社会に通用する実力を身に付け、人間としても大きく成長し、夢を叶えてくれることを願っています。

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さて、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。

皆様がお子様をこれまで育ててくださったおかげで、私は入学生百四十四名に出会うことができました。このご縁をいただいたことに、心から感謝申し上げます。
そして、皆様のお子様をはじめ、子どもたちすべてが国の宝であり、一人一人は幸せになるために生まれてきました。その子どもたちが、将来、社会の変化にしなやかに対応し、どんな困難も乗り越えていける逞しさを持ち、夢へ続く道を歩み、幸せになって欲しい。と願うことは、保護者の皆様同様、私たち教職員にとりましても同じです。この願いを共有しつつ、私たち教職員は、教育の使命と情熱を忘れずに、日々の教育活動に当たる所存です。
いまだ、新型コロナウイルス感染症の収束が見えず、また、世界には、武力で他国を侵略しようとする動きがある中、改めて安心・安全・衛生的な教育環境の充実が重要と心得え、ご家庭とも十分に連携を図りながら、信頼を得られる学校づくりを目指して参ります。何卒、本校の教育活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びとなりましたが、ご臨席を賜りました皆様方のご健勝を祈念し、式辞といたします。

令和四年四月八日

北海道文教大学附属高等学校長 佐々木 淑子