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令和3年度 冬休み前集会校長講話

皆さん、こんにちは!
令和3年12月20日月曜日冬休み前の講話を始めます。

令和3年、2021年もあと10日程で終了です。
今年は皆さんにとってどのような一年でしたか?

さて、今年の世相を表す漢字は「金」でしたが、私にとっては、「開」(かい・ひらく)の漢字がぴったりの1年でした。
今年1年を振り返ってみたいと思いますので、その中で「開」「開く」という漢字がいくつ入っているか数えながら聴いてくださいね。

●令和3年1月、お正月早々に兵庫県で開催された、全日本高等学校女子サッカー選手権大会には北海道代表として本校女子サッカー部が出場し、1回戦の扉を開きました。2回戦では敗れてしまったものの、強豪相手に善戦しました。

●例年1月・2月は、どの私立高校も入試の時期となりますが、本校は恵庭への移転前ということもあり、入試は大学の教室を借りて行われました。600名を超える中学生が受検してくれ、近年にない記録に残る受検者数となりました。
その中には、教育連携協定を結んだ「レバンガ北海道」のU18の選手11名も含まれており、今年度に入って行われたBリーグ主催の大会チャンピオシップにおいて全国優勝し初代王者になった他、昨日まで神奈川県川崎市で開催されていた「エリート6」においても、全国のU18トップチーム5チームと闘い、見事優勝しました。また、大会MVPとベスト5賞に内藤選手、同じくベスト5賞に越後選手が選出されました。おめでとう!

●戻って3月。1日には明清高校で開催される最後の卒業式が行われ、合計67名の3年生がそれぞれの進路を定めて巣立っていきました。
学校内では明清高校からの引っ越し作業がありました。捨てるもの、新校舎へ持っていくものの分別そして荷造り、大掃除など、先生たちは大変な作業に集中してくれました。おかげ様で、何とか3月中に大方の引っ越し作業を終えることができました。

●そして4月1日、北海道文教大学附属高等学校が開校しました。
4月8日には、2・3年生が新校舎に足を踏み入れ、きれいな校舎を見て歓声が挙がりました。開校式では新しくなった校章、校旗、校歌が披露され、着任式では新しく来られた8名の先生の紹介とご挨拶がありました。
続いて行われた始業式では、私から次の4つについてお話しました。
1つ目は、新校舎建設に関わった方々へ感謝を持ち、新しくきれいなまま使うことが大切であること、(本日の大掃除も有難う!)2つ目は、令和3年度のスローガン「いきる学びを一人一人へ 信頼を創る学校づくり」について、3つ目は、自分が発する言葉の大切さについて、最後4つ目には、感染症対策について、お話したところです。

●次の日の4月9日、文教大附属高校となって初めての入学式が行われました。
吹奏楽部が明るく演奏する中、201名の新入生が入場しました。新しい制服に身を包んだ入学生の姿は初々しく、ジャケット襟の白線が、本学園創始者の鶴岡新太郎・とし先生の苗字の「鶴」が羽ばたく様子と、勝利のVサインに見えるデザインがずらりと並び、壇上から感無量になりました。これからのF高の未来を担う新入生の、不安ながらもやる気が感じられる入学式でした。

●4月は、3年生にとっては、2年生のうちにできなかった修学旅行が実施された月でもありました。4月20日から3泊4日、旅行先や日程を変更しての開催とはなりましたが、参加した生徒たちにとっては満足度の高い旅行になったようです。

●このころから、道内の高校では、クラスや部活動による新型コロナウイルスのクラスターが発生し、対応策の通知が国や道から出され、本校でも予定していた様々な行事や活動が中止や延期となるほか、活動の制約条件等が示されました。
年度初めから新型コロナ感染情報ばかりの中、これまで同様にマスクの着用、手指消毒、手洗い、こまめな換気、ソーシャルディスタンス、黙食などの徹底や、毎朝の検温や健康観察の結果をBlendによって報告してもらうなどの日々でした。
北海道ではまん延防止等重点措置が講じられ、石狩管内が特定措置地域となり、その後は緊急事態宣言の期間が決まり、また延長・・と続いていくこととなりました。

●そのような中でしたが、交通安全講話を学年分けで開催し、皆さんに改めて交通事故防止の意識を高めてもらうきっかけとしました。

●5月中旬からは5分短縮授業とし、オンライン授業と対面授業の両方を設定し、ハイブリッドな授業の方法をとりました。学びを止めない環境作りのために、先生たちは教材を開発し、工夫した授業を展開してくれました。
また、食物科における製菓衛生師の資格取得のための、C-netの土日開催についても、宮島学園北海道製菓専門学校の講師の方々が本校においでくださって、各科目の講義を実施してもらうことができました。

●そして、6月23日から3日間、前期中間考査が実施され、久しぶりに登校した生徒たちも多く、学校が学校らしく感じた3日間にもなりました。

●男子サッカー部においては、4月末の春季大会では予選2位、5月の全国高等学校総合体育大会 サッカー競技北海道予選会、いわゆる「インターハイ」北海道予選会では、1回戦突破はしたものの、2回戦で敗れてしまいました。しかし、4月から10月まで行われた道央リーグでは、2部の試合を年間、全勝で飾り一部昇格を果たすことができました。また、11月には新人戦が行なわれ、4ブロックのうちCブロックにおいて、優勝しました。確実に力を付けてきている男子サッカー部です。

◎私は、大会での成績が上位になればなるほど、選手一人一人の力が認められ、自信に繋がると考えていますから、大会結果が良ければとても嬉しいです。しかし、それ以上に、人としての挨拶がしっかりできること、部活動の道具が整然と並べられ、個々の荷物が整頓・整理されていることなど、選手自らが意識することが重要と考えています。女子サッカー部の伝統ある挨拶、立ち止まっての挨拶する所作を男子サッカー部も行っていることが、パフォーマンスを上げ、このような成績に繋がっていると考えています。

そんな中、先週土曜日の大雪が積もった朝、学校に来てみると、女子サッカー部1年生江田さん、川瀬さん、男子サッカー部2年生、亀代君・菅野君・小林君・中島君・芦屋君、の7名が率先して雪かきをしてくれました。私はこのように動ける皆さんが大好きです。自分から動くことが、どれだけ周りを楽にし、幸せにするかを体験せてもらった出来事でした。だから「働く」とは、「はた(周り)がらく」になることなのですね。

●さて、女子サッカー部は、全道では敵なしの成績ですが、目標とされる立場、追いかけられる立場になることのプレッシャーは相当なものと察しています。そこに必要になるのは、平常心と自信です。場に飲まれない落ち着いた気持ちで試合に臨めるか?苦しい練習を乗り越えてきた時間の確かさがあるか?です。苦しさを乗り越えた後の心地よさを知って、さらに努力する人こそ、運さえも呼び込み、強くなります。
その女子サッカー部は全国高等学校総合体育大会 サッカー競技北海道予選会に出場し、準優勝となりましたし、道新杯北海道女子リーグ兼皇后杯全日本女子サッカー選手権大会北海道大会では優勝し、11月に宮城県石巻市で開催された全国大会へコマを進めました。残念ながら全国大会では1回戦突破はできませんでしたが、自分たちの持てる力を精一杯発揮したと、清野先生から報告を受けました。
すごいことですね。持てる力を精一杯発揮できるって・・
そして、9月に開催された全日本高等学校女子サッカー選手権大会 北海道予選では7連覇を達成しました。来年、令和4年1月3日には、1回戦が行なわれ、ベスト8にF高の名前を残すことを目標に健闘してくれることを祈り、応援したいと思います。

●さて、7月は、暑かった!の毎日でした。北海道らしからぬ暑さが続き、生徒の皆さんにはジャージ登校を認め、登校してもらいました。本当に暑い夏でした。
そして、何といっても、夏はオリンピック一色でした。1年延期した2020東京オリンピックは、開催の有無が議論を呼びましたが、7月23日から8月8日まで、無観客で実施されました。開幕後すぐに若い選手たちが新しい種目で競い合い、笑顔と涙を見せ、テレビを通して応援する私たちに感動を与えてくれました。結果、日本は金27個獲得しました。札幌でも競歩とマラソンが実施され、暑い中、選手たちは健闘しました。
続くパラリンピックも見ごたえ十分でした。ハンディを障害とせず、堂々と戦う選手たちの姿に、健常者の私は何を頑張るのか?と自問自答した時間ともなりました。

●本校は、そのオリンピックの中7月28日から夏休みとなりました。
その夏休み前の私の講話は皆さんから様々な反応がありました。テーマは「考えること」と「数えること」でした。「考えること」ではウサギとカメのお話しを例えにしましたし、「数えること」では、自分のルーツを考え、ご先祖さまや周りで係わってくれる方々への感謝の気持ちを忘れずに伝えていくことが大切、とお話ししました。
考えることを継続していますか?感謝の気持ちは色あせて、伝えることや言葉にすることを忘れていませんか?
学校におけるご先祖さまは、鶴岡新太郎先生、とし先生です。毎朝の登校時、帰宅の際に、キャンパス正門の横にある、お二人の胸像への感謝の一礼はいかがでしょうか?

●さて、夏休みに入り、ダンス部は札幌共済ホールで、日本高校ダンス部選手権北海道大会のスモールクラスに出場しました。昨年度はリモート審査でしたが、今年は参加チームが集まっての大会となりました。残念ながら全国大会への切符は得られませんでしたが、他校のチームから大いに刺激を受け、これからの活動につながった大会参加となったようです。

●夏休み中は、部活動の他、講習やドリカムルームへ通う生徒たちが多く登校していました。体育館では、男子バスケットボール部・女子バスケットボール部が汗を流していました。部員数はそれぞれ少ないながら、自分たちがやれることを考えながら、練習に取り組む姿は、貴重な経験に繋がっていると思いました。好きなスポーツを継続して愉しむことは、高校時代ばかりでなく、進学・就職してからも、親になっても、年を取ってからも大切なことと思います。

●外のグラウンドでは新生野球部が白球を追いかけていました。野球部員は、ほとんどが1年生ですが、元気な掛け声で一所懸命に練習していました。

●そして、夏休み明けからは新型コロナウイルス感染症との闘いが本格化しました。本校も濃厚接触者や低リスク対象者がいる状況となり、保健所とのやり取りに、教頭先生を窓口として、担任の先生方、部活動の顧問の先生方、保健室の森田先生などの協力を得て、最大の危機を乗り越えました。

●8月末からはワクチン接種が、自治体ごとに高校生でも受けられるようになりましたが、9月に入ってからもコロナ禍は続き、前期末考査は実施できませんでした。それでも少しずつ通常の学校生活が再開できる見通しがついたのは9月中旬でした。いつどこで感染するかわからない見えない敵との闘いには、毎日不安を抱えて過ごしたことを思い出しています。

●後期に入り、10月は芸術鑑賞が開催され、林家木久扇さん、お弟子さんのお二人がいらっしゃってくださって楽しい落語やお話しを聴くことができました。皆さんの感想文も楽しかった言葉が綴られており、開催してよかったと思いました。
そして10月は、2年生にとって最大行事の修学旅行がありました。お天気にも恵まれ、生徒の皆さんの協力もあり、安全に事故なく実施でき、無事に帰着することができました。まさに力を合わせた九州での修学旅行となりました。

●その期間中、1年生はえこりん村へ、3年生は小樽への遠足が実施されました。お天気には苦労したようですが、一つ一つの行事が予定通り開催できることが何と幸運なことかと、実感しました。本当に良かったです。

●11月の行事の中では、開校記念講演会が印象に残るイベントとなりました。文字職人の杉浦誠司さん、講演家の中村文昭さん、お二人の講演での言葉の数々は、皆さん一人一人の心の奥にまっすぐに届きました。アッという間の時間となりましたが、帰りがけにお二人は、皆さんのことを「ホンマいい子たちばっかや・・礼儀正しくて・・社会に出てもすぐに通用するわ・・」と仰ってくださいました。この講演会を開催するに当たっては、多くの方々のご縁をいただきました。私自身もご縁に感謝し、お二人の言葉を忘れずに、日々、生きていきたいと思いました。

●そして、師走の12月、すぐに後期中間考査がありました。
また、先週月曜日に実施した「F高団結会」では、久しぶりの生徒会行事で、みんなの笑顔を嬉しく見させてもらいました。F高団結会テーマの「百花繚乱」にふさわしく、全校生徒、各クラス生徒一人一人が、スポーツ種目やビデオ制作において、力と知恵を出し合い協力して取り組み、それぞれの花を咲かせながら、F高が一つになった時間でした。
私もみなさん同様、とても楽しかったです。先生たちの動きに笑い、私自身も運命走に出させてもらったので全力で走り、あとからじわじわ襲ってきた筋肉痛の感覚を味わい、身体を動かすことの心地よさも体感しました。
会の運営に関わってくれた生徒会執行部や体育委員の皆さん、そして、参加した生徒・教職員の全員に感謝します。心から「ご苦労様!そして、有難う!」

★少しずつ日常が「再開」され、コロナ禍だからこそ、新たな試みが「開始」された年となりました。現在、全校生徒433名の皆さんが、この1年大きな事故や災害にも遭わず、また、新型コロナウイルス感染症のクラスターも出さずに過ごせたことは、皆さんが日常、真面目に感染症対策をしてくれた正しい行動のお陰です。本当に有難う!

★さあ、それでは今までの話の中で「開」(かい・ひらく)の漢字は何個でしたか?
答えは2021年の数字に合わせ、21個でした。
今回もみなさんにお伝えします。生きていることは奇跡的なことで、人生それだけで満点です。 まさに、奇跡的な1年となりました。
明日から冬休みとなりますが、命を大切にしてこの期間を過ごし、来年1月13日、元気な笑顔を見せてもらえることを楽しみにしています。良い年を!

これで、冬休み前の講話を終わります。