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令和3年度 修了式 校長講話
皆さん こんにちは!
令和4年3月24日、木曜日、今日は彼岸明けの日です。そして、令和3年度、本校では最後の登校日であり、修了式です。また、今年度をもって本校を離れる先生たちと、一緒に過ごせる最後の日となります。
まずは、2つの報告をします。
一つ目は卒業式についてです。
去る3月1日、火曜日、93名の3年生が、それぞれの進路を決定させ、卒業していきました。卒業式では卒業証書を一人一人に手渡しし、卒業生は、私の目をまっすぐ合わせてくれて、笑顔で受け取ってくれました。
その後、卒業生へ向けての式辞で私は、「卒業する皆さんは、入学時からの明清高校で2年間、F高での1年間を糧として、これから山道のような人生の道を、自分らしく歩んでいって欲しい。」と伝えました。当日は、保護者各家庭1名と、教職員しか出席できませんでしたが、厳粛な中にも、お祝いの雰囲気にあふれた、素敵な卒業式になりました。
式が終了した後、卒業アルバムにメッセージを書いてくださいと、私のもとに来た男子生徒へ「後輩たちへ伝えたいことは?」と聞くと
「みんな元気で、僕たちがやってきた挨拶をちゃんと引き継いで欲しいし、いつも感謝の気持ちを忘れないで頑張って欲しいです!」
と答えてくれました。皆さんに期待する先輩の貴重な言葉と受け止めましたので、お伝えしておきます。この卒業生の願いを受け止めてくださいね。
さて、二つ目は皆さんの進級についてです。
昨日の進級認定会議において、皆さん全員の進級を認めることができました。1年生、196名、2年生、141名です。中には、補習を受けた生徒もおりましたが、最後まで頑張ってくれました。また、皆勤の生徒が1年生で57%、2年生で51%と、約半数の皆さんが、休むことなく学校の授業を受けてくれた結果が出ました。同じく、精勤の生徒も3割以上いました。
コロナ禍で、対面授業ができず、オンライン授業も続きましたが、生活リズムを崩さず、健康の保持や管理に取り組んでくれた成果だと思っています。
これで、1年生は新2年生へ、2年生はいよいよ最上学年の3年生になって、令和4年度を迎えることとなりました。みなさん!進級おめでとう!本当に良かったですね。
なお、後期になって成績が伸びた生徒の中には、授業に集中し、学習内容を理解しようと頑張った生徒、出された課題にしっかり取り組み、提出物を忘れずちゃんと出した生徒、放課後のドリカムルームで真面目に取り組んだ生徒、家庭学習が習慣化している生徒がいたことも事実です。
新2年生、新3年生に進級するとわかった本日からは、いよいよ自分の進路へ向けて地道に取り組む期間へと進んでいきます。一日一日元気に、授業を大切にすることを基本として、放課後学習や家庭学習を頑張ること、模擬試験を積極的に受けて、全国における自分の立ち位置を確認すること、などが、約1年後、2年後の進路実現への一番の近道と心得て、行動して欲しいです。
さて、今日は、「限界を突破し、可能性を最大限に引き出す方法」の話をします。
「てっぺん」という名前の居酒屋を経営しながら、スポーツのメンタルトレーニングコーチをしている 大嶋 啓介さんという方が、お話された講演記録を読みましたが、とても共感できたので、皆さんにも抜粋して伝えたいと思います。
この大嶋さんは、全国100校以上に「チーム強化研修」を行い、そのうち25校が甲子園に出場、高校サッカーでは國學院久我山が全国準優勝を果たしているなどの成果をあげている方です。大嶋さんはこのように仰っています。
僕は、僕の師匠である脳科学の先生から「人間の可能性、つまり「未来の力」「潜在能力」は、今、自分が発揮している力の最低でも三万倍は眠っている」と言われました。
それなのに、なぜ人生でうまくいく人といかない人がいるのか?スポーツでもどんどん伸びる選手と伸びない選手がいるのか?夢が叶う人、叶わない人、その決定的な違いを、脳科学の先生から学びました。
その決定的な違いはたった一つです。「本当に信じればそうなるのであり、かならず信じた通りになる」ということです。つまり「思い込みの差」です。
例えば、月に行ける!と思い込んだ人はロケットを作れるし、空を飛べる!と思い込んだ人は飛行機まで作るし、タケコプターは作れる!と思った人はドローンを作りました。これが思い込みの力です。脳は「これはできる」と思い込んでしまうと、それを可能にしてしまう能力を発揮することができるんです。
だから自分の中の三万倍の可能性を信じられるかどうかが、ものすごく重要です。
僕は、全国の高校野球の選手にメンタルトレーニングをする時の最初にこの話をします。「自分はどうせ無理だろうな」と思って練習する人と、「自分はこれからまだ伸びる」といって練習する人では全く結果が違ってきます。「思い込みが自分の未来を作る」「思い込みが自分の現実を変える」ということを知ってください。それではこの思い込みが上手く作れるコツ、3つについてお話します。
一つ目は、「ワクワク」です。自分の可能性にワクワクすること。
皆さんだって、赤ちゃんだったことがあるでしょう?ネガティブな赤ちゃんで見かけないでしょ。「ハイハイは難しいかな?」と思い悩んでいる赤ちゃん、見たことないですよね。歩き初める時は何度も何度もこけては立ち上がります。赤ちゃんってすごくポジティブなんです。でも、大きくなるにつれて、いろんな経験をするうちに、自分で勝手にネガティブなセルフイメージを作ってしまうんです。
「自分はまだまだこんなもんじゃない!」とワクワク思うこと。口にすることです。二つ目は、「他喜力」です。他人を喜ばせたい!と思う力です。その強い想いが可能性の扉を開かせるのです。僕は高校野球のチームで「お父さん、お母さんを喜ばせたい!」のスイッチをどんどん引き出していきます。受験生も同じです。受験で合格した時にお母さんが泣いて喜んでくれたところを想像してもらいます。誰かを喜ばせたいというエネルギーが、限界を突破していきます。
三つ目のコツは「感謝」です。警察官だった僕の親父は、小学1年の弟と生まれたばかりの妹を置いて仕事中に亡くなりました。殉職でした。その後、母は女手一つで僕ら3人を育てるために朝から晩まで働きっぱなしでした。そんな母には感謝しかありません。
学校で講演するときは「お父さん、お母さんがいることは当たり前じゃないよ。」と話しています。そして、「生んでくれてありがとう!」という感謝の言葉を手紙にでもして、お父さん、お母さんが生きているうちに伝えていこう。」と話します。
居酒屋「てっぺん」は、亡くなった親父に一番近いところで見てもらいたい。親父を一番喜ばせたい。」そんな思いで名前を付けました。だから、僕は今、頑張れています。可能性のない人なんて、一人もいない。みんなが自分の可能性に気付いて、そして自分を信じていける、そんな人生を歩んで行って欲しいと思っています。
というお話です。いかがでしたか?
最初に皆さんへお伝えした、卒業生のメッセージ
「みんな元気で、僕たちがやってきた挨拶をちゃんと引き継いで欲しいし、いつも感謝の気持ちを忘れないで頑張って欲しいです!」
に、通じるものがありますね。
・「みんな元気で!」は、コロナに負けずに「自分でワクワクを作る」ということ。
・「挨拶を引き継いで欲しい」は、「挨拶」は他喜力(他人を喜ばせたい!という気持ち)を表わせること。誰でも、元気な挨拶を向こうからしてもらえたら嬉しいですものね。
・そして、「感謝」はそのもので、「感謝の気持ちを大切にし、特に、お父さん、お母さんに対して感謝の気持ちを伝える」ということが大事ですよ。ということです。
これから年度末、年度初めの時期に入ります。この14日間の中で、皆さんが自分のスイッチを入れて、可能性の扉を開け、何かに挑戦する春休みとしてくれることに期待しています。
今年度も終わります。「いきる学びを一人一人へ 信頼を創る学校づくり」をスローガンとして先生たちといろいろやってきました。新校舎1年目、コロナ禍が続く年度でしたが、皆さんの頑張りのおかげで、この1年も大きな事故などもなく過ごすことができました。皆さんに感謝します。本当に有難う!
今度、皆さんにお会いできるのは、4月8日、金曜日、始業式です。引き続き、感染症対策に気を抜くことなく取り組み、元気な笑顔でお会いしましょう!
これで、令和3年度 北海道文教大学附属高等学校 修了式の講話を終えます。