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北海道文教大学附属高等学校 第62回卒業式〜校長式辞〜

式辞

春の穏やかな風を感じる今日の佳き日に、第62回卒業証書授与式を、本校PTA会長 豊田 昌弘様ご臨席のもと、このように挙行できますことを嬉しく思います。
さて、ただいま卒業証書を授与された137名の皆さん、「卒業おめでとう!」〈北海道文教大学明清高等学校〉へ入学し〈北海道文教大学附属高等学校〉を卒業する皆さんへ、特別な想いを込めてお祝いの言葉を贈ります。
皆さんは、中学校3年生後半から新型コロナウイルス感染症の流行によって、「例年通り」や「当たり前」のことがほとんどできない月日を過ごしました。本校に入学したあの日でさえマスクを着用し、声を出さずに式は行なわれました。あれから3年、コロナ禍の3年でもありましたが、皆さんは一番近くにいたクラスメートとともに適切に対応してくれました。時には、臨時休校、時にはオンライン授業によって主体的に学ぶことの重要性を経験したり、対面授業によって直接学ぶ良さを認識し、多くの知識や技術を身に付けることもできました。部活動では、力と技を高めたばかりでなく、礼儀やチームワークの大切さ、そして、悔しさを乗り越え、我慢することさえも力に代え、活動することができました。また、学校行事や各種大会などは中止や延期が重なり、良き思い出も、自分の力を発揮するチャンスも少なく、どうしようもできない思いを抱く時もありました。せめてもの救いは、2年生で修学旅行が実施できたこと、3年生になって初めてのF高祭ではテーマ通りの「笑顔満祭」で盛大のまま幕をおろせたことでしょうか。
そのような中でも、皆さんは健康を第一に考え他を気遣いまわりへ感謝する心や、諦めない心、そして諦めるために自分の気持ちを昇華させる力さえも身に付けることができました。何より、ご家族の温かな励ましに支えられ命が繋がっていることを実感できた日々であったことと思います。私はそのような皆さんの姿や元気な挨拶、マスクの下の笑顔に出会うたび、皆さんを応援する気持ちが膨らみ幸せな時間を味わうことができました。特に、最上級生となった皆さんが頼もしく誇りにさえ思ったものです。
さて、これから皆さん自身が歩む道は一人一人違いますが、どの道も平坦ではなく、例えるなら起伏の多い山道のようなものです。立ちはだかる木々や歩きにくい地面、時に分かれ道に悩むこともあるでしょう。さらに、苦しく辛く悲しい場面に遭遇するかも知れません。そのような時には、まずあの明清高校の校舎に続く長い長い坂道や、一緒に通った友を思い出し、その時の自分をも思い出してください。消えることのない高校時代の思い出や友はきっと皆さんの心の味方になるに違いありません。そして、多くの方々に支えられている現実を意識し、常に「おかげ様です」「有難うございます」の感謝の言葉を声や文字にして周りに伝えることは大切です。また、思い切って「助けて」と言うことも必要です。そうすれば、必ずや相談できる人、寄り添う人が現れ、孤独にはならずに、また、勇気を持って歩み始めることができるはずです。
改めて皆さんへお伝えします。3年間よく頑張りました!卒業、おめでとう!そして、本当に有難う!

さて、ご臨席の保護者の皆様、オンラインで視聴しておられるご家族の皆様、お子様の晴れのご卒業、誠におめでとうございます。この世に生を受けたお子様を、乳幼児期から小学校・中学校、そして高校と、いつくしみ育てられて早18年、皆様にとりましては、本日は子育ての卒業式でもあります。高校3年間、お子様を物心両面から支えてくださいましたことに敬意を表しますとともに、本校の教育活動においても多大なるご理解とご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。

さあ、いよいよ旅立ちの時です。2つの校歌に出会い、F高を卒業する皆さんには、これからも自分の命を大切に人として正しい行ないを積み重ね、人生の道を歩んで欲しいと願っています。笑顔の主人公は皆さん一人一人です。母校は皆さんをいつまでも応援しています。
最後となりましたがご臨席、ご参加いただきました皆様方のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げ、式辞といたします。

令和5年3月1日

北海道文教大学附属高等学校長 佐々木 淑 子