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令和4年度 冬休み前校長講話

こんにちは!
令和4年12月22日(木曜日)冬休み前の講話を始めます。

今年も残すところ10日を切りました。毎年、この時期になると、「1年は早い!」と思うのは私だけでしょうか?年を重ねると、ますます1年が短くなるように感じます。
皆さんにとって、2022年、令和4年トラ年は、どんな一年でしたか?

●さて、一年を振り返ると世界や日本では様々なニュースがありました。
〇ウクライナへの侵攻が「戦争」という形になり、多くの命が奪われ建物が破壊されているという現実はまだ続いています。「戦争のない世界」が当たり前でないことに気付かされた出来事でした。それによって今、日本の防衛や軍事費の見直しなど改革が行われようとしています。
〇その戦争のせいか、世界経済のバランスが崩れ、私たちの生活では食料品や日用品の他、灯油・ガソリンなどのエネルギー関連の値上げも続き、日常的な省エネにも新たに取り組んでいかなくてはならない状況です。
〇また、3年も続いている新型コロナウイルス感染症は未だ収束していません。変異型ウイルスが確認されるたびに開発されるワクチンや薬は、まるで「ウイルスの変異 対 人間の知恵比べ」の闘いのような感もあります。この冬はインフルエンザも流行すると予測されていますから、より一層の感染症対策が必要です。
〇7月には総理大臣であった安部晋三さんが銃撃され亡くなりました。このことによって、ある宗教団体の寄付の全容を明らかにしようとする動きがようやく始まりました。
〇そして、北海道では、知床での観光船沈没事故が記憶に残る出来事です。まだ見つかっていない方々もいて、安全・安心がいかに大切か思い知らされた事故でした。

●スポーツ界では
〇1月、大学箱根駅伝で青山学院大学が独走の総合優勝、また高校サッカーでは青森山田高校が3度目の優勝を飾りました。
〇北京冬季オリンピックで日本は過去最高の18個、続くパラリンピックでは7個のメダルを獲得しました。
〇3月の選抜高校野球では大阪桐蔭高校が4年ぶりに優勝、8月の全国高校野球では仙台育英高校が東北勢初の優勝を果たしました。
〇プロ野球では、ロッテ佐々木朗希投手が28年ぶりの完全試合を達成し、ヤクルトの村上選手は、最年少で三冠王に輝きました。最終的に日本シリーズを制したのはオリックスでした。
〇アメリカ大リーグで活躍中の大谷翔平選手は、メジャー通算100号のホームランを打ち、さらに二桁勝利、二桁本塁打の二刀流としての素晴らしい成績を残しました。
〇日本バスケットボール界では「ユース育成特別枠」によってレバンガ北海道に入団した本校2年2組 内藤耀悠選手が、11月30日ホーム戦でBリーグ最年少記録の16歳10ヶ月でのデビューを果たしました。

●そして、本校では「学校法人 鶴岡学園」の八十周年の年でもありました。
〇その歴史に積み重なるこの一年では、これまで縮小したり開催できなかった各種行事がコロナ禍の間をぬって実施できました。学校祭や体育大会は、昨年度からまた工夫して実施しましたが、F高となって初めて正規に開催されるといった状況となり戸惑うこともありましたが、皆さんの協力で大いに盛り上がり、ワクワクしたまま終了することができました。担当した各部門や種目の皆さん、本当にご苦労様でした。
〇そのほか、部活動などの成果や成績については、節目ごとの機会に皆さんにお伝えしてきたとおりです。男子サッカー部・女子サッカー部・野球部・男子バスケットボール部・女子バスケットボール部・ダンス部・吹奏楽部(先程「ミニコンサート」を開催してくれました)・軽音楽部・ボランティア部・園芸部・写真創作部・製菓料理研究部・茶道部・放送局、そしてレバンガ北海道U18、生徒会執行部の皆さん、それぞれによく頑張りました。
〇一緒に行動してリーダーシップを発揮してくれた3年生も卒業まであとわずか、3年生の想いを引き継ぎ、1、2年生のチームとなってさらに頑張っている部活動もあります。これからの活躍に期待しています

さて、世界やスポーツ界の話題など、今年の出来事をお話しましたが、なんといっても、サッカーワールドカップは記憶に新しいところです。「ブラボー!」で大いに日本中を沸かせてくれた、このワールドカップもアルゼンチンの優勝で幕を閉じました。
森保ジャパンの活躍に、寝不足になった人も多かったのではないでしょうか?その日本チームは、ドイツに勝ちスペインにも勝ち、前回大会準優勝のクロアチアに延長を含む120分を互角に戦ってPK戦まで引き込む・・・すごい試合でした。

日本のサポーターのみならず、ワールドカップに注目していた他の国の人たちも日本の選手たちの活躍に「日本チームはすごいです。感動しました。有難う!」の言葉を口々に言っていました。感動で涙を流しているサポーターの姿もありました。出場した選手たちは、最初から観客を感動させよう!と思ってプレーしているわけではありませんが、私たちは、選手たちの姿に「感動」したのでした。

「感動」という言葉を辞書で引くと「深く感じて心を動かすこと。」とあります。
私はテレビを見ていて「感動」の場面を何度も目にしたので、「感動」する時は、見る側のどういう視点で生まれる心の動きなんだろう?と思いました。

今回の大会で、私が感動した場面はいくつかありますが、特に挙げると三つ思い出されます。一つ目は、コート内で必死に走り続ける選手たちの姿に「一所懸命さ」を感じた時、二つ目は、日本選手たちのロッカーが、試合後きちんと片づけられ整理整頓された様子がSNSで話題になり、また、会場に駆け付けた日本のサポーターたちが、いつも通り、ごみを拾い集めていた「後片付けをする姿」、そして、三つ目は、スペイン戦での三苫選手の「諦めない姿」でした。

一つ目の「一所懸命さ」では、長時間走り続けるために練習してきた果てしない努力や時間を想像し、涙が出るほど感動しました。後半になれば、誰でもスピードが落ち体力が無くなりバテるはずなのにその気配さえ見せず、汗を流しながらボールを追いかけ、相手選手と競り合いながら走る。監督の指示で選手交代もありましたが、とにかく走り続けるためには身体的強化ばかりでなく、タフな精神力も必要です。練習に明け暮れた時間はどれくらいあったことか?想像以上の努力を想像し、とても感動しました。

逆に、二つ目の「後片付け」に関しては、想像しなかったロッカールームのきれいさとそこに「折り鶴」が置かれてあったことです。人は想像していなかったことが起きると驚きと同時に感動するものなのですね。あの折り鶴には選手たちからの「感謝」が込められていました。サッカーができること、沢山の人が支えてくださってワールドカップが開催されていること、多くのサポーターが現地まで応援に来ていること・・などの感謝でした。
選手たちの行動に、同じ日本人として誇らしく思いました。また、サポーターの皆さんが当たり前のようにスタンド内のごみ拾いをしていて、これまでもマスコミに取り上げられましたが、継続することも大切なことです。私は、日本人の行儀の良さや人として正しく上品に行動する姿として、これもまた感動させてもらいました。

そして三つ目は、スペイン戦での三苫選手の活躍です。堂安選手の右サイドからのクロスに懸命に食らいつき、ゴールライン上ぎりぎりで左足で折り返し、田中選手がゴールしたシーンです。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入により「インゴール」と判定された瞬間、ぞくっと鳥肌が立ちました。あの三苫選手の「諦めない姿」が貴重な決勝点をつかみ取ったのです。まさに「一ミリの執念」ともいうべき姿に心を動かされ、感動したシーンとなりました。

人は、人のそのような姿に感動したら、純粋に感謝する気持ちが生まれます。「よいシーンを見せてくれて有難う!」と。また、うらやましく思ったり、真似してみようと思ったり、目標にしてみたり、次の行動に繋がるものだと思いました。「感動」~深く感じて心を動かす~ばかりでなく、感じたら動く「アクション」に繋がったらいいですね。

私は、「一所懸命さ」、「後片付け」、そして「諦めないこと」の大切さを、このサッカーワールドカップでの「感動」を経て改めて知らされました。このことを忘れずに次の行動に移していこうと思ったところです。

皆さんは、何を感じ、心を動かされ、自分の次の行動にどのように繋げていきますか?一人一人のその内心、内側の心の持ちようが、とても大切です。

さて、今年も終わります。まずは、一年、全校生徒、誰一人として命を落とすことなく、こうして年末を迎えられていることに、心から感謝します。皆さん、有難う!

この一年も「生きていることは奇跡的なことで、人生それだけで満点です。」のメッセージを伝えるとともに、言葉を返せば、「生きていること自体が感動と感謝」かもしれないと思いました。

明日から冬休みとなりますが、皆さんには『生きていることに感謝し、笑顔と礼儀正しい挨拶を忘れずに、感動多き冬休みを過ごして欲しい!』と願っています。

良い年を迎えて、また元気に会いましょう!
これで、令和4年度 冬休み前の講話を終わります。