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令和4年度 冬季休業明け校長講話

おはようございます。
西暦2023年、皇紀2683年、令和5年、皆さん、明けましておめでとうございます。1月16日 月曜日、皆さんが元気に登校してくれて嬉しいです。

さて、今年の干支(えと)は「卯」(ウサギ・う)です。
干支(えと)にはそれぞれ意味があるそうですが、ウサギ年の今年は「癸卯(みずのと・う)」です。この「癸」(みずのと)は、六十干支(かんし)では「最後」に当たり、一つの物事が収まり次の物事へ移行していく意味があるそうです。また、卯(ウサギ)は、植物系の漢字を当てはめると、「茂(も・しげる)」という字になり、繁殖する・増えるという段階に当たるそうです。
その両方を備えた「癸卯(みずのと・う)」は、去年までのさまざまなことに区切りがつき、次へ向かっていく、そこに成長や増殖などの世界が広がっていく年と解釈できるそうです。ちなみに、前回の「癸卯(みずのと・う)」は60年前、この年には「鉄腕アトム」がテレビアニメ第1号として放映され、また、今も続く「キューピー3分クッキング」が始まった年、「日清焼きそば」が世に出た年です。
さて、今年は何が始まり、何が流行っていくのでしょうか?

昨年もご紹介しましたが、今年も林家木久扇さんからの年賀状が届きました。そこには「聞く耳立てて ぴょんとはねよう 卯(ウサギ)年 」と書かれてありました。去年の添え書には「笑いは大切な人生の華です」とありましたが、今年は「落語は日本の宝物 今後ともよろしく・・・」とありました。番組の「笑点」を見てお元気に活躍される85歳の林家木久扇師匠のお姿に、20歳も年下の私は「まだまだ!」と励まされています。

さて、私は、年末年始に自由になる時間が多くあったので、本などたくさん読むことができました。その中で、書家の武田双雲さんという方が実践している「丁寧道」という言葉に出会いました。それを紹介してくれたのは、作家でありコピーライターでもある「ひすい こたろう」さんです。どんな内容だったのか、ちょっと読んでみますね。

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双雲さんは、何でも丁寧にやると心が満たされて幸せになるということを教えてくれています。例えば、双雲さんは「世界で一番、ドライヤーの風で幸せになった男になりたい」と言っているんです。どういうことかと言うと、ドライヤーを使う時、僕らは「早く乾け」としか思っていないですよね。双雲さんはドライヤーのスイッチも何気なく押さない。
「聖なる風よ、いでよ!」と言って優しくタッチする。そしてドライヤーの風をしっかり丁寧に味わうのです。
その話を聞いて、一人の青年が「丁寧道」を実践してみたそうです。彼はうつ病だったそうですが、毎日丁寧にドライヤーの風を味わっていたら、ある日感謝の気持ちが沸き上がってきてドライヤーをかけながら泣いちゃったそうなんです。そしたらそれからうつが良くなっていったということでした。
「丁寧に感じる」ということは、森羅万象すべてと繋がる行為なんです。実は、それが俗にいう「マインドフルネス」です。どんな大事なことでも雑にやったら「雑用」になるし、些細なことでも丁寧にやったら心が満たされるんです。これは日本人が昔から大切にしてきた精神です。かつての日本人は呼吸ひとつにも喜びを感じていたそうです。

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という文章です。

ホントかな?と思いましたが、好奇心旺盛の私は、だまされたと思ってやってみようと思い「丁寧に!」を常に意識して行動することにしました。そして、実行し始めて3日目、呉服店の新春初売りのガラガラポンに挑戦できるチャンスがありました。そこで、私は、丁寧に丁寧に心を込めて回しました!すると赤玉が出てきて、これがナント、一等賞!
〇〇万円もする着物の帯が当たってしまいました。これまで、くじ運など全くなかった私は、この事実に本当にびっくりしました。「丁寧」を意識して行動するだけでこんなことも起きるんですね。
実は、このラッキーな出来事は、家族にも誰にも話していませんでしたが、この講話で、皆さんに「丁寧道」のことと併せて伝えられれば、もしかして誰かがマネして、実践してくれて、その生徒にはラッキーな出来事が起きるんじゃないか?と思いました。
ですからこの話しは、皆さんへのお年玉です。ちなみに、私は今もドライヤーの風を丁寧に感じるようにしたりして「丁寧道」を続けています。

さて、3年生にとっては登校できる日数も10日あまり…もうすぐ卒業です。進路が決まった人も決まっていない人も、3年間を共にしてきた仲間との一緒の時間を大切にしてください。そして、1・2年生の良き先輩として、汗を流した部活動の先輩として、そして、大人に一番近い先輩として、これまで皆さんが実行してきた、挨拶など礼儀正しい姿のお手本を示して欲しいものです。

2年生は、最上級生としてF高をけん引するリーダーになる年です。本格的な進路への挑戦や努力の日々が続いていきます。皆に与えられた1日24時間をどのように過ごしていくかが、これからの自分の道に直結してきます。自分を見つめ直し「脚下照顧」これは「他に対して理屈を言ったり人のせいにしたりせず、自分自身よく反省しなさい」という意味ですが、この「脚下照顧」を忘れずに成長し続けてください。そして、苦しいことも面白がって楽しみながら前に進んで欲しいと思います。

1年生は基礎まとめの時期です。学習面においても生活面においても、F高に入学して約一年、自分の身に付いた力、成長できたことは何でしょうか?そして、将来の自分の姿をイメージできているでしょうか?2年生になればクラスが変わり、カリキュラムも変わります。いろいろあるでしょうが、迷いも悩みもすべてがあなたの力になります。ただし、あまり考え過ぎたらだめですよ。物事はシンプルに考えるのが一番!何事も少しずつでいいから堅実・確実に取り組むことが大切です。頑張れ1年生!

ウサギ年、飛躍の年とも言われますが、飛躍するためには足腰がしっかりして、健康でないと飛べません。自分の身体の声に耳を傾け、自分の心としっかり向き合い、当たり前ではない「生きていること」を丁寧に感じ、丁寧を意識して行動したら、きっと、皆さんにもラッキーなことが必然的に起きてくると断言します。

まだまだ新型コロナウイルスとの闘いは続くようです。ましてこれからの季節、インフルエンザ流行の予測も出ています。感染症対策には、し過ぎることはありません。気を緩めることなく、それこそ「丁寧にしっかりと」感染予防対策に取り組むようお願いします。

最後となりますが、皆さん一人一人が健康で「自分にワクワク、未来にワクワク」できるよう、先生たちとともに指導やサポートを続けていきます。
皆さんにとっても、感謝と笑顔のあふれる一年になるよう祈っています。

今年も「生きていることは奇跡的なことで、人生それだけで満点です。」のメッセージを伝えつつ、令和5年 始まりに当たっての講話を終わります。