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令和5年度 夏季休業前 校長講話

皆さん、こんにちは!
令和5年7月24日、月曜日 夏休み前の講話を始めます。
暑くなってきましたが、皆さんの心とからだの調子はいかがですか?
令和5年度は、恵庭キャンパスに移転し3年目となり、4か月がたちました。
この間、皆さんが大きな事故や災害に遭うことなく過ごしてもらえたことを嬉しく思うとともに、3年前まで当たり前に行っていた行事や活動などが少しずつモトに戻りつつあることも感じた日々でした。
先日行われたF高祭においては、生徒会執行部を中心に、有志の皆さんの協力も大きく、「謳歌爛漫」のテーマのもと、クラス単位、部活動単位でさまざまな取組が行われました。昨年からさらにレベルアップした内容を、F高生みんなが一つになって創りあげた学校祭でした。後片付けまで頑張ってくれ嬉しく思いました。
同時に、準備や練習段階で起きたトラブルも、実は大切な学びであり、皆さんにとってのF高祭は開催日の2日間だけではなく、その前から続く日々こそが高校生活の良き思い出とよき経験となったはずです。
こうして皆さんが活動する姿から、新しいF高のカタチが徐々にできつつあることを実感しています。
そして、みなさんに「有難う!」と言える機会が多く、皆さんからも「有難うございます。」の言葉をいっぱいもらい、心から喜ぶことができた4か月間でした。
「本当にいい生徒たちばかり~」とますます皆さんのことが大好きになりました。
改めて、本当に有難う!

さて、一昨日の7月22日土曜日は、令和5年度 全国高等学校総合体育大会(いわゆる「インターハイ」)の総合開会式が「北海きたえーる」で行われたので出席してきました。北海道開催は実に36年ぶりとのことです。
そこに各県の代表で参加した選手たち、北海道実行員会の生徒たち、また、おもてなしの気持ちを込めた演奏や歌声、ダンスなどを披露した生徒たち、それぞれに笑顔がありました。これから8月21日までこの笑顔が広がることを期待したいと思いました。

本校からは、女子サッカー部が全国のチームと対戦するため、本日から試合会場の帯広市へ出発しました。会場へ行けなくても、心の中で精一杯、応援しましょう!
そして本校も、インターハイに協力します。恵庭市総合体育館が空手の競技会場となるため、本校の体育館は「空手」の練習会場となります。このあとすぐに体育館にはマットが敷き詰められ、27日まで各地域からの代表選手が練習することとなります。
競技ルールを理解するまでに至ってはいない私ですが、この機会に空手を楽しみたいと考えています。

さて、明日から始まる24日間の夏休みを前に、皆さんに2つお話しします。
一つは、自分にとって好きなコト、それは本当に真から好きなコトか?そのためにどんな努力をすべきか? をしっかり考えて欲しいということです。
もう一つは、いつも話していますが、命を大切に生活して欲しいということです。

先程話したインターハイ総合開会式の場面でも、選手たちの真剣な表情から厳しい県大会を勝ち抜いて全国大会まで来た喜びと、本当にその競技が好きで取り組んで来たという自信がみなぎっていました。
また、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた道内の生徒たちは、演奏すること、歌うこと、ダンスをすることが本当に好きなのだな?と思わせる満面の笑みでした。
それをご覧になられた秋篠宮ご夫妻もにこやかに微笑んでおられ、観客も笑顔になりました。好きなことに取り組む笑顔は水の波紋のように広がるのですね。

「好き」から始まる人生があります。
私にとって好きなコトは、人と会って話しを聞くことや会話を楽しむこと、また、人の生き方・生き様がわかる伝記や小説などの本を読むことや映画を観ることで、それは若い時から続いています。
つい最近では、映画「憧れを超えた侍たち」を観て感激しました。これは、ワールド・ベースボール・クラシックでの、史上最強と言われる侍ジャパンが世界一への軌跡を振り返ったドキュメンタリー映画でしたが、試合では観るコトのできなかった裏側の出来事やエピソードもまとめられていました。
何より栗山監督のほか、大谷翔平選手はじめみんなが野球をとことん好きで、そのために努力し戦っている姿にしびれました。栗山監督は「好き」を通り越し「野球を愛し選手を愛した」と評されていたのも印象的でした。
私は、人や人生や生き方というものに興味をもっているからこそ、教職という仕事を選んでこのような人生を歩んできたのだと思います。

すでに、皆さんの中には好きなコトに取り組み、好きなモノを集めたりしている人も、いるでしょうが、改めて自分は本当にこれが好きなコトで、これが好きなモノなのかを検証してみてください。そのために、いま自分はどんな努力をしているのか? 何を目標にしているのか? を考えて欲しいのです。
まだ「好き」が見つけられていない人は、幼かった時の自分を知っている家族・友達・先輩・先生などに聞いてみることです。小さいとき、自分は何に興味をもっていたのか、好奇心があったモノは何だったのかを聞いてみるのも「好き」を探す一つの方法です。
「好きこそものの上手なれ」と言います。突き詰めると、いつまでやっても飽きない、どんな努力でも惜しまず続けられるコト、ずーっと見ていて幸せを感じ、手に入れるための工夫や知恵を発揮できるモノが、あなたの「好き」そのものなのです。

特に、3年生にとっては進路日程が間近に迫まると、努力することに焦りや不安を感じることもあるでしょうが、それは当たり前のこと、誰しもが感じる思いです。そういう時こそ、自分が好きなコトをやるため、好きなモノを手に入れるための目標を定め、今、進路実現の努力をしているのだと結びつけ、まっすぐに努力し続けて欲しいのです。まずは、自分の「好き」を原点に考えて見ましょう!

続いて、命を大切に!ということについてお話しします。

これは、先日の薬物乱用防止講話においても、講師である北海道ダルクの根来 宏明(ねごろ ひろあき)さんが話していたこととも結びつきます。そして私が皆さんへお話しするたびに必ず触れていることです。
この夏休みにおいては、熱中症や夏風邪、いまだ収束しない新型コロナウイルス感染症にこれまで同様に気を緩めず、気を付けて行動して欲しいこと、加えて、先日、小学生3名が川で亡くなるなど水難事故も起きました。ここ最近は異常気象のため「暑い北海道」になっており、川や海に出かける機会も多くあるでしょう。どうぞ、水の事故には十分に注意し、自分の命を守って欲しいのです。これほど、命の大切さにこだわって、夏になるとしつこいくらいに「水の事故には気を付けて」と、私が訴えるのには訳があります。

6年前の8月、お盆の時期でした。私が札幌南陵高校の校長だった時、3年生男子生徒一人を海の事故で亡くしているからです。その日、事故の通報を受け、すぐその子の自宅へ駆けつけました。待つ間もずっと「嘘であって欲しい!」と祈りました。でも事実でした。動かない彼が自宅へ帰ってきました。
聞くと、家族で石狩浜へ行き、親戚の子と沖へ向かって歩いて行った途中で、離岸流に吸い込まれ、おぼれたとのことでした。
お父さんお母さん、集まった皆が目を真っ赤にして、泣いていらっしゃいました。お母さんはその日、仕事があって海には行っておらず、朝「行ってらっしゃい!」と見送ったきり、帰らぬ息子に会うことになったのです。
もう切なくて悲しくて残念で・・・今でもその時の男子生徒の顔を思い出します。まだ18歳!これからまだまだ、楽しいことも経験できただろうに・・担任の先生からは、「進路も定まり目標に向かってすごく頑張っている!」と聞いたばかりだったのに・・
実はその前の年にも、札幌南陵高校ではサッカー部の男子3名が海で亡くなっており、学校としては2年連続の悲劇となりました。本当につらい辛い出来事でした。

生きていることは奇跡的なことで、人生それだけで満点です。といつもお話しするのは、この経験があるからです。

皆さん、これまでかかわってくれた友達や家族や多くの方を悲しませないでください。
どうぞ宜しくお願いします。
さて、これまで、さまざまな思いを抱きながらも、いつも元気に明るく学校に来てくれた生徒の皆さん、そして、毎日忙しい中、頑張ってくれている先生方に心から感謝します。
本当に有難う!
命を大切にして、好きなコトへの努力を忘れずに過ごし、また元気な笑顔で8月18日に会いましょう!
これで夏休み前の校長の講話を終わります。