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2年食物科特別講座

3月18日(月)の5、6時間目に本校2年食物科生徒を対象に『物流業界における2024年問題』に関する特別講座を行いました。
働き方改革関連法施行の影響で、今年の4月より時間外労働時間が年間960時間に制限されることによってドライバー一人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなることなどが懸念されています。将来的に飲食業に従事する生徒が多い食物科の生徒へ在庫管理のリスクやリードタイムを考慮した物流への理解を深めることを目的として、2部構成の特別講座を行いました。
講師には、北海道で20年以上物流システムの構築や改革に携わっている『北海道物流開発株式会社代表取締役 斉藤博之様』ならびに、言語活動を主軸に幅広い言語活動を実施している『せこんど 金田一志帆様』の2名にご来校いただきました。

第1部は金田一様より物流輸送についてのワークショップを行っていただきました。
生徒たちがグループごとに分かれて、ケーキ製造に使用する材料の仕入れについてシュミレーションしました。生徒たちは店舗での製造時間や商品出荷先である函館への到着時間を逆算した上で、あらかじめ指定された生産地から材料の仕入れ計画を検討しました。検討中には、各グループから「この計画だと完成したケーキが深夜2時に函館に到着することになって、納品先が受け取れないから良くない」や「早めに材料を仕入れすぎるとモノによっては傷みやすくなるし、一時保管場所のスペースが確保できないから材料の納品時間にあわせて従業員の出勤時間も設定した方が良いのではないか」など様々な声が出てきており、モノを運ぶことの難しさを実感していました。

第2部は斉藤様より物流の概要、物流危機などについてお話いただきました。
物流には、4つの輸送形態(船舶輸送、トラック輸送、航空輸送、鉄道輸送)があること、モノを運ぶ輸送・配送の機能だけでなく保管・荷役(貨物の搬入出)などの機能があることなど基本的な物流の仕組についてのご説明をいただき、物流業界の現状について生徒たちが知ることができました。
生徒たちからは「物流の深刻な問題に関してたくさんの方々が努力されていてたくさんの工夫(情報の共有)や新しい器具を製作して取り組まれているんだなと思いました」、「広大な北海道では集荷依頼が多く、トラックがパンパンなのかと思っていたけれど、逆にトラックの中身が少ない(積載率30%台)ことに驚いた。」、「アイスや生鮮食品などはただ運ぶだけでなく、より美味しく届けるために様々な工夫がされていることが勉強になりました。」、「同じ冷凍商品でも物流方法が異なるだけで品質の差にあらわれることがわかった」などの感想が寄せられており、普段の生活では知ることができなった情報に触れることができました。

今回の特別講座にご協力いただいた斉藤様ならびに金田一様、誠にありがとうございました。