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北海道文教大学附属高等学校 令和5年度入学式〜校長式辞〜

春の風を感じる今日の佳き日に「北海道文教大学附属高等学校 令和五年度 入学式」を、このように挙行できますことは、誠に有難く、教職員一同、感謝と喜びでいっぱいでございます。
ただいま入学を許可されました159名の皆さん、ご入学おめでとうございます。
本校は、学園創設者である鶴岡新太郎・としご夫妻の強い信念のもと、昭和34年に開校され、幾度かの校名変更を経て、一昨年、ここ恵庭の地に移転し、現在の「北海道文教大学附属高等学校」(通称F高)として三年目を迎えました。
高校としては通算六十五回目の入学式となります。
ここで、晴れてF高生となった皆さんへお祝いと歓迎を込めて二つお話しします。1つ目は「三つの言葉」について、二つ目は「学ぶこと」についてです。
日本では「言葉に霊が宿る」と言われます。また、【これまで自分の心をつくってきたのは周りから掛けられた言葉であり、未来の自分の心をつくるのは、自分が発する言葉である。】とも言われます。
そこで、皆さんの人生にとって必要となるであろう3つの言葉をお伝えします。1番目は、自分をいたわる言葉であり、周りに安心感を与える言葉「大丈夫!」2番目は、自分を支えてくれている人やモノの存在に気付ける言葉「おかげ様です」そして、3番目は、自分にも周りにも感謝する言葉「有難うございます」です。
これに反して、悪意ある言葉や乱暴な言葉、否定的な言葉などは、生きていくうえでまったく必要ありません。
この三つの言葉「大丈夫」「おかげ様です」「有難うございます」を口にする時、真っ先に聴くのは、自分の體であり、細胞の一つ一つです。まずは、この3つの言葉をシャワーのように、毎日自分に降り注いでみてください。
そして、皆さんがこの三つの言葉を伝える相手のまず最初は、この式場の後方で皆さんを見守ってくださる保護者の方をはじめ、ご家族の皆様です。
命誕生の「おめでとう」から十五年、十六年、どれ程の深い思いで皆さんを慈しみ、育ててくださったことでしょう・・・おむつを替えてもらい、おっぱいを栄養として育った新生児期から乳児期、ハイハイやつかまり立ちを経て、動きが活発になった幼児期、さまざまな行事のあった小学校の六年間、中学生となり、コロナ禍を体験しつつも身体も心も成長し、迎えた中学校卒業式。挑戦した高校入学試験の結果に喜んだり、また落ち込んだり・・・色々あったことでしょう。しかし、過去、どの場面を振り返っても、皆さんは独りではありませんでした。3つの言葉を周りに伝えるという行動によって、誰かの心へ届くとともに、過去にこだわらない新しい自分、自分が自分らしく生きていける新しい空間や時間や仲間を得ることができるようになるでしょう。
明日から、いえ今日から、とびっきりの笑顔で「大丈夫」「おかげ様です」「有難うございます」の毎日を過ごしてみてください。

さて、皆さんは高等学校へ進学しました。文字のとおり「進学」は「学ぶために高校に進み」「進んで学ぶ」ために、F高生となったのです。F高で学ぶ内容は、単に教科の学習だけではありません。部活動や校外活動、読書や生徒会活動、ホームルーム活動や行事にも、さらに親元を離れて生活する寮生活でも大切な学びが詰まっています。
何より「人」から学ぶことがいっぱいあります。F高で出会えたクラスメートや同級生、上級生、お互いはライバルでこそあれ、敵ではなく、仲間です。仲間から学びましょう。また、皆さんが主体的に進んで学ぼうとする意欲の先には先生たちがいます。授業、部活動や各種行事等を通して、先生たちは、皆さん一人一人と真剣に関わり、きめ細やかに指導しサポートします。
時に「挫折」「失敗」という文字が浮かぶこともあるでしょうが、そのような時には、「挫折は良き経験」「失敗は課題」と考えましょう。そして、諦めずに学び続けると、目標が次の目標へと進化し、夢が現実となります。夢とは叶うまで学び続ける道そのものだからです。
次の時代を担う皆さんが、北海道文教大学附属高等学校で学ぶ三年間で、社会に通用する実力を身に付け、人間としても大きく成長してくれることに期待しています。

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さて、保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。皆様がお子様の命を育んでくださったおかげで、私は入学生159名に出会うことができました。このご縁に心から感謝申し上げます。そして、皆様のお子様をはじめ、子どもたちすべてが地球の宝です。その子どもたちが、将来、世界の状況にもしなやかに対応し、どんな困難も乗り越えていける逞しさを持ち、夢の道を着実に歩んでいって欲しい!と願うことは、私たち教職員にとりましても同じです。この共有できる想いを抱きつつ、教育を担う使命と情熱を忘れずに生徒一人一人の学びを深め、確実な学力や技術が身に付くよう、教職員一丸となって教育活動に当たる所存です。
現在もなお、感染症の不安が残る状況ではありますが、改めて、安心・安全・衛生的な教育環境の整備・充実に一層努めるとともに、ご家庭とも十分に連携を図りながら、信頼を得られる学校づくりを目指して参ります。何卒、本校の教育活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びとなりましたが、ご臨席賜りました皆様方のご健勝を祈念し、式辞といたします。

 

令和5年4月8日

北海道文教大学附属高等学校長 佐々木 淑 子